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2015’05.29・Fri

【例えば、こんな共想曲】

 ※読む前の注意とお願い 


 この小説はPHANTASY STAR ONLINE 2(以下PSO2)の二次創作になります。Episode3-4までのネタバレを多分に含みますので、まだ本編を楽しみにされていて、プレイされていない方は読まないでください。

 また、個人的見解もかなり含まれているため、プレイされた方でも考え方に納得できない部分が出てくると思いますので、それが許容できないという方も読まないでください。

 極力PSO2の世界観は壊さないようにしてありますが、どうしてもゲームとは異なる点があります。重ねてご了承ください。

 文章の表現、文体、読みづらい部分はあると思いますので、内容も含め、自分には合わないなと思われる方はそっと小説を閉じてください。無理して読んでもいいことは何もありません。

 最後に、PSO2に関する設定等の著作権はSEGAに帰属します。二次創作とはいえ、小説自体は書いた本人に権利があると思いますので、ないとは思いますが、小説の無断転載はおやめください。

 以上を理解していただいたうえで、読んでいただけると嬉しいです。
 時間を割いて読んでいただけた方々が、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
 堅苦しい前置き失礼しました。










例えば、こんな共想曲




ウルク&テオドール after EP3-4




 アークスシップショップエリア。その中を右に左に忙しそうに走り回っているウルクを、ぼくはベンチに腰掛けて遠目に眺めていた。

 あのルーサーの騒動の後、一時期は閑散としていたが、今では以前と同じような活気を取り戻しつつある。これも偏にウルクの努力の賜物だろう。シャオにアークスの設備や運営について一任されてからの彼女の働きは、小さな頃からずっと一緒にいたテオドールにとっても驚くほどのものだった。

 「………これがウルクがやりたかったことだよね」

 最近の彼女を頑張りすぎじゃないかと心配する反面、ぼくはとても嬉しいとも思っていた。適正がなくアークスになれず、それでもアークスのために何かをしようと頑張り続けた結果、アークス職員に特別枠で採用され、しかし、その初仕事で厄介ごとに巻き込まれてしまった。そこから何とか生還した彼女は、今ようやくやりたかったことを全力で楽しんでやっている。

 それに比べて、ぼくは一体何をしていたのだろう。アークスになるだけなって、でも、何とも戦うことを避け、ただ逃げて逃げて逃げ続けて、頑張ることもしないで―――挙句の果てには、彼女が死んでしまったという報告に暴走し、力を手に入れるためにルーサーの手に落ちてデューマンにまでなった。

 そこまで考えて、ぼくは小さくため息をつく。マリアが言うことも最もだとは思う。それでもやっぱり、できることなら前のぼく、ニューマンに戻りたい。

 「ふー、つっかれた!テオってば、なに深刻な顔してんの?」

 いつの間に隣に来たのか、同じベンチに腰掛けながら、ウルクは今日も明るく元気な声をぼくの耳へと響かせる。どうやら、俯いてしまっていたらしい。ぼくは慌てて顔を上げると、話題を変えるためにショップエリアの方を見ながら言った。

 「だいぶ、賑やかになってきたね」

 ウルクはそれに嬉しそうな顔をしながらも、軽く首を振った。

 「そうだねー、でも、まだまだ!あんなことがあったばっかりだし、わたしはもっともっとアークスの皆に元気になってもらいたいんだ」

 足を前後に揺らしながら、真っ直ぐ前を向いて瞳を輝かせる。小さい頃から知っている、決めたら迷わず突っ走る力強い瞳だった。

 「まあ、一番元気になってもらいたいのは、テオなんだけどね」

 こちらを向いて、覗き込むようにして付け加える。

 「………ウルクは変わらないね」

 ぼくはそんなウルクと目が合わないようにして、ゆっくりと空を見上げる。清清しいまでに視界一杯に広がる青さが、ぼくの心にはすごく似つかわしかった。

 「こうだって決めたことは、迷わずに、真っ直ぐに信じて頑張る。昔から、ずっと変わらない。それに比べて、ぼくは―――」

 「テオだって変わらないよ?」

 言葉を遮って、ウルクが立ち上がりながら言う。ぼくはそんな彼女の背中を目で追う。ウルクは後ろで手を組みながら、続けた。

 「そのうじうじしてるところもそう、何も変わってないよ」

 「でも、ぼくはもう昔のぼくじゃない。この角だって、この目だって、変わったよ」

 その反論にウルクは身体ごと振り返って、したり顔をした。

 「あー、やっぱり見た目のこと気にしてるんだ。どうせ、そんなことだろうと思った!そりゃ、初めは確かに驚いたよ?でも、見た目のどこが変わっても、テオはテオでしょ?それとも何?テオは心まで変わっちゃったの?」

 その問いかけに、ぼくは言葉を詰まらせる。ぼくの心は変わってしまったのか―――変わってしまった気もするし、そうでない気もする。すぐに答えを返すことはできなかった。

 「ほら、変わってない!気にしすぎるところもそう、色々考えて迷うところもそう。テオは昔も今もテオだよ。ずっと一緒にいるわたしが言うんだから間違いない。昔からわたしが気にせず真っ直ぐやりたいことやれるのも、そうやってテオが色々考えてくれるからだよ」

 そこで一度間を空けると、くるっと身体を反転させる。

 「………その見た目、すごく気にしてるみたいだけどさ、わたしはそれ好きだよ?だって、それってわたしを想ってくれてる証みたいなものじゃない」

 確かにウルクが死んでしまったという報告を受けてから、ぼくはただウルクのことだけを考えていた。ウルクのために何がしてあげられるのか、ただそれだけだった。失って初めて、彼女の大切さを痛感した。

 でも、その大切なものは失われてなどいなかったのだ。それなのにぼくはまた昔と同じように、結局自分の気持ちだけを考えている。ウルクのいうように、ぼくは何も変わっていない。

 「この前分かりやすくいってあげた返事もまだだけどさ、もう一回わかりやすくいってあげよう。わたしは一緒にいたいから、一緒にいるの。これからも、わたしと一緒にいてくれる?」

 もう一度振り返り、座っているぼくの目線に合わせて、覗き込むようにして聞いた。

 変わらなきゃいけないこと、変えていかなきゃいけないことはある。うじうじするところも、気にしすぎるところも、マイナスな部分はたくさんある。でも、それ以上にぼくは変えちゃいけないものを持っていることに気づいた。

 それは彼女を大切に想う心。失って散々思い知らされた、ぼくの中の彼女という存在の大きさ。ずっとずっと一緒にいた彼女を、もう二度と失いたくはない。

 「うん、一緒にいるよ。約束する」

 ぼくはデューマンになってから、初めて彼女の目を真っ直ぐ見返した。ぼくの大好きな彼女の力強い瞳に負けないように、ぼくなりの精一杯の力強さで。

 「よろしい!」

 その言葉に彼女は満面の笑みを浮かべた。ぼくはその彼女の笑顔をずっとずっと守りたいと心に改めて誓った。..


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